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21.女装写真展に思いをよせて

8月22日〜9月5日まで女装写真展「美寿羽 楓×山田はるか 2人展」を開催いたしました。会期中、多くの方にご来場いただけてとても嬉しく思っております。

8月22日の初日にはギャラリートークがありました。第1部は山田はるか×ヴィヴィアン佐藤様。第2部は私と女子美術短期大学教授・伊勢先生との対談が行われました。

伊勢先生は女装をされる方ではないので、男性視点、特に芸術家視点から女装をどのように感じたかをお話ししてくださいました。私の作品コンセプトは【街に溶け込むような自然体の女装】です。自然であることの美しさと空気感について素晴らしいご意見を頂きました。

一番嬉しかったことは、初めて伊勢先生とお会いした際に女装に対して若干の迷いのようなものが感じられたのですが、女子美術大学にて撮影を行い実際に女装をされているモデルさん達と語り合い、撮影中のムードや、私の女装についての文章をお読み頂く工程の中で、女装に対して深い感動を理解をお持ちいただけたことです。頭の中で想像をする女装と、実際の現場は異なります。初めて女装と向き合う方で女装に対して抵抗を感じていらっしゃったとしても、熱い思いを伝えたり、楽しみを分かち合うことや、女装を純粋に楽しむ気持ちが相手に伝わると、気持ちが伝わるものだと感じました。私にとって今回伊勢先生が女装に対して好印象をお持ちいただけることも目標の一つだったので、トークショーでの伊勢先生の言葉はとても嬉しかったです。やり切った充実感がありました。

さて、私が女装と初めて拘わった時にも同じような感覚がありました。アルテミスを作って間もない頃は今のようにインターネットも普及し始めたばかりで、勿論テレビメディアなどでも女装を取り上げる番組が稀でした。「女装=偏見・奇妙」と思われがちでした。お店を経営するうえで、いろんな企業と拘わらなければなりません。女装を扱っているといっただけでNOといわれることも数多く、協力を得る為にはまず女装(私が考える女装)を理解していただくことから始めなければならない状態でした。アルテミスにて活動を続ける中で、今ではようやく企業や様々な分野から声をかけていただける機会をいただけるようになり、続けることの大切さを感じる毎日です。

女装をされない方でも女装を理解いただけることは可能だと思います。その為には自分が考える女装に対して信念がなければならないと思います。情熱をもってこれからも女装を追求していきたいと思います。

ご来場下さった皆様、作品モデルのご協力をしてくださったゲスト様方、伊勢先生・ギャラリーのスタッフの皆様、また今回のギャラリー展を共に歩んでくれた山田はるかさんに心から感謝をしています。
ありがとうございました。
2009年9月7日